義肢装具士の仕事とは
国家試験には数多くの種類がありますが、その中のひとつに「義肢装具士」という資格があります。この「義肢装具士」は、事故や病気などのために手や足を失ってしまった方々に、義手や義足などを製作して利用される方をサポートしていく立場にある人です。
義肢装具士の仕事は、義肢や装具を製作することだけではなくて、直接利用される方の身体に触れ、製作する義手や義足、装具などの型をとっていくことが許されている立場の医療専門職になります。そして、完成した義肢や装具を利用される方に提供するだけではなく、義肢装具士の仕事は、義手や義足、装具を実際に装着されて機能をするかどうかの確認や、調整といった作業も行うことになります。
義肢装具を製作する技術に加えて、リハビリテーションに関する知識も必要とされ、利用される方への対応を含めたコミュニケーション能力も身につけていなければなりません。
このような説明になりますと、とても難しそうな仕事に捉えられる方もいることでしょうが、実際に義肢装具士の仕事をされている方の話を聞きますと、大きなやりがいを感じているとの声が聞かれます。義肢や装具が必要とされる方は、心が不安定になっている方が少なくないといいます。しかし、義肢装具士が思いやる心を持って接し、利用される方が違和感なく装着できる義肢や装具が提供できた時には、笑顔や感謝の気持ちを伝えられたりします。
義肢装具士が力を発揮できる場所には、病院やリハビリテーション施設、義肢装具を製作している会社などがあります。
「義肢装具士」の資格を取得するためには、文部科学大臣指定の専門学校や、厚生労働大臣指定の義肢装具士養成所にて学んだり、指定科目が履修できる大学に入ることが必要になります。定められた期間を修了された後は、「義肢装具士」の年1回実施されている国家試験に合格することが求められています。この国家試験では、臨床医学や義肢装具工学、採寸学など7つの分野から出題されています。しっかりと学習していれば合格が可能となっています。
日本の義肢装具の技術は高いものであると、世界から評価されているものですから、義肢装具士の資格を得て、技術を高め、世界に活躍の場を求めるのも良いでしょう。