将棋棋士の仕事とは
将棋棋士の仕事とは、当然ながら将棋を指すことです。ただ、それを仕事とするにはもちろん相当の実力がなければなりません。
将棋は、ルールだけであれば多くの人が知っているでしょう。家族や友人との間で手頃な娯楽、頭を使う遊びとしてやったことのある人も多いと思われます。もしかすると、中には、町の将棋大会などに出場するレベルの実力を持ったような人もいるかもしれません。このように将棋はルールだけであればかなり一般的に広まっているといえます。しかし、よく言われることですが、将棋ほどプロ棋士とアマチュア棋士の差が激しい世界はそうないといってよいでしょう。
まず、プロ棋士として認められるには四段にならないといけませんが、そのためには「奨励会」というところに入会する必要があります。ところが、この「奨励会」ですらそうそう簡単に入会できるところではないのです。奨励会は誰でも簡単に入会できるわけではなく、実際に将棋を指す試験があり、先に書いた我が町の将棋大会に出場するくらいの実力程度ではまず入会できません。もちろん一概にいえない部分もありますが、都道府県大会で上位入賞を果たすくらいの実力があって、やっと奨励会へ入会を認められるのです。
これでも奨励会では6級であり、そこから1級、初段を経て四段まで上がって初めてプロ棋士として認められます。
昇級や昇段の基準は細かく決められていますが、おおまかに言って一定の期間内に勝率7割くらいかそれ以上の成績をおさめると一つ段や級が上がります。逆に勝率2割を切るような状況だと段や級が一つ下がるという、まさに食うか食われるかの厳しい世界です。
晴れて四段になるとプロ棋士となり、対局をするごとに対局料がもらえますし、もちろん勝てばそれだけ賞金も大きくなります。大きな棋戦で優勝するなどの好成績をおさめればさらに多くの賞金が手に入ることになります。
将棋棋士の仕事とはもちろん将棋を指し、勝つことが最大の目的ではありますが、それだけではありません。それに付随する仕事をしている人も多くいます。例えば、テレビなどで他の棋士どうしの対局を解説している棋士がいるように解説者としての仕事もあります。さらには、将棋に関する本を執筆したりしている棋士もいますし、新聞などには詰め将棋がのっていることもあるように、詰め将棋を作る仕事をしている人もいます。また、後進の指導というのも立派な仕事です。将棋道場のようなものを開き、地域の子供たちに将棋を教える仕事をしている棋士もいます。