土地家屋調査士の仕事とは
土地や家屋にはそれぞれ所有者がいます。全国の法務局では、これらの不動産について所有者や地番、面積、地目を整理して一筆ごとにまとめたものを、保有しています。これを登記簿と呼んでいますが、この登記簿は不動産の売買や固定資産の課税など正式な帳簿として利用されています。また新しく家を建てたり、土地の売買を行ったときは法務局でその物件の登記をしなければならないことになっています。
土地家屋調査士は、土地の分割や建物の新増改築の時に不動産登記で必要になる調査や測量を行って、図面を作成したり、登記所へ申請手続きを行っている、測量及び法律の専門家になります。
具体的には建物の新築、増改築、分割や土地の地目、面積の変更に関して登記簿への表示変更の登記や、海や河川に水没してしまった場合の滅失の登記、土地を合併したりするときの合筆の登記や、建物の分割、合併の登記などを行っています。
登記を行うときには現地に出向いて、その物件の面積を確定しなければなりませんので、面積を確定するための測量の作業を行わなければなりません。持ち帰ったデーターを整理して図面に仕上げて、確定した面積を算出します。登記の種類に合わせて図面や確定した面積を法務局に申請して新しい登記簿を作成してもらったり、今まであった登記簿の変更をしてもらいます。
このような業務を行うのが、土地家屋調査士の仕事になります。
登記を行う土地や家屋などは平たんな場所にあるとは限りません。急な山の中にあったり、原野の中にあったりすることも珍しいことではありません。ですから測量を行うときには急な斜面をかけあがったり、原野を切り開いて測量をすることもありますので、土地家屋調査士は体力も必要になってくる職業になっています。登記簿に記入された面積や所有者などは、固定資産税を徴収するおおもとの帳簿になりますから正確な測量の技術を身につけて、正しい面積を法務局に提出する必要が出てきます。
土地家屋調査士になるためには、国家資格試験に合格しなければなりません。受験の資格に年齢や学歴の制限はありませんが、不動産に対しての専門の知識や調査、測量を行っていく技術が求められます。測量の国家資格である測量士や測量士補の資格を持っていれば、土地家屋調査士の一次試験は免除されることになっています。
ですから最初に測量士補の資格を取ってから、土地家屋調査士の資格にチャレンジする人が現在では多くなっています。