税理士の仕事とは
税理士は法律で定められた国家資格で、かつ、その有資格者を言い、税務に関するスペシャリストを指します。
税理士の仕事のほとんどは法律で認められた独占業務であり、税務書類の作成、税務代理、税務相談の3つが主な業務です。
税務書類の作成とは依頼者に代わって確定申告書など税務書類を作成すること、税務代理とは依頼者に代わって税務署に申告や届出を提出したり、税務調査への対応をすることで、税務相談とは申告や課税の計算など税務に関する相談を受けることです。
これらは税理士の独占業務であるため、有償、無償に関わらず有資格者以外はこの業務をすることはできず、違反した場合は2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。知り合いの申告書を作成したり、税金のアドバイスをした場合でも違法行為となりますので注意が必要です。
また、財務諸表の作成、会計帳簿の記帳代行などの財務に関する事務は、税理士の独占業務に付随して行う業務として行う事ができます。
税理士の資格を取得するには、税理士試験に合格し、税務に関する実務を2年以上こなした上で税理士登録ができるほか、弁護士および公認会計士、あるいは試験を免除された者、税務署などの国税官公署で23年以上の勤務期間があり、指定の研修を受けた者も有資格者となれます。
税理士試験には学識、資格、職歴の3つによる受験資格が必要となります。学識は大学や専門学校で経済学を修めた者に与えられ、資格は日本商工会議所主催の簿記検定1級、全国経理教会主催の簿記検定上級の合格者に、職歴は法人や個人事業主の会計事務、あるいは税理士、公認会計士の補助事務などの経験が2年以上ある者に与えられます。
試験では、必修科目の簿記論と財務諸表論、選択必修科目の所得税と法人税のどちらか1科目、選択科目の消費税、酒税法、相続税、国税徴収法、事業税、住民税、固定資産税の税法から2科目を選択して、合計5科目に合格しなければいけません。なお、選択科目のうち消費税と酒税法、事業税と住民税はいずれか1科目しか選択できません。
それぞれの科目は60点以上が合格のラインとされていますが、正答率の高い解答により配点される傾向があるため毎年合格ラインは変動しており、合格率も10~20%程度で必修科目が高く、選択科目は低くなる傾向があります。
また、合格した科目に期間の制限がない事が税理士試験の特徴で、一度合格した科目は試験に合格するまで有効となり、合格まで10年以上の年月を掛ける人もいます。なお、5科目に合格して人には合格証書が授与され、官報に公示されることになります。