建築士の仕事とは
建築士とは建築士法によって国家資格に定められた資格名称です。
例えば1級建築士なら建築関連の学歴などを持つ者が、数年の実務経験を経ると受験資格を得ます。そして年に一度行われる学科試験に合格した後、製図試験にも合格して免許を受けた後に業務にあたることができます。建築士には、1級、2級、木造と種類があり、その資格の種類により設計・工事監理が出来る建築物の規模などに違いがあります。
では、建築士の仕事について見てみましょう。
1.設計業務・・・意匠・構造・設備について基本設計から実施設計まで行います
・意匠設計
建築士は建築主(施主)と直接打ち合わせをして、建物の外観や内観、間取りや材料、細部の納まりなどなど、建築物全体の総合的な設計を予算なども視野に入れながら行います。知識や経験の他にコミュニケーション能力が必要になります。
・構造設計
建築士は意匠設計で決めた建物の間取りや断面を基に柱や梁などの寸法を構造計算によって求めます。例えば鉄筋コンクリート造なら鉄筋の本数や種類、本数に至るまで決めます。構造を専門に勉強している必要があります。規模の大きな建築物等の設計には構造一級建築士という資格が必要になります。
・設備設計
建築士は電気設備、空調設備、給排水設備などの設計を行います。あらゆる設備についての専門的な知識と経験が要求され、規模の大きな建築物等の設計には設備一級建築士の資格が必要になります。
基本設計とは敷地や関係法令などの調査、基本計画、デザイン、計画図の作成、予算なども視野に入れて計画を進めることです。概算予算を出し、建築主の希望と大きく外れていたらこの段階で軌道変更します。また、実施設計とは見積や工事に必要な具体的な図面を作成することです。意匠や施工上の納まり、構造や技術上の検討など多岐にわたる設計です。
2.工事監理業務・・・工事現場にて設計図等と照らし合わせて確認します。
建築主や現場管理者(施工者の置く現場監督)とは違う、第三者の立場で工事が図面通りに行われているか、またそれが法律などに適合しているかを建築士は建築主に代わり確認します。正しく工事が行われていない場合はただちに現場管理者に注意、指示を与えます。また工事中は建築主や施工者との打ち合わせを定期的に行います。やり取りをする中で設計の手直しや修正を行う事も業務のひとつです。
3.その他の業務
建築士は、建築工事契約に関する事務や建築工事の指導監督、建築物に関する調査や鑑定業務などを行います。設計や工事監理など何年も業務経験を積み重ねてからでないと難しい事もあります。