検事の仕事とは
検事はドラマなどで取り上げられることもありますから、なんとなくどのような仕事をするのかは想像できる人が多いはずです。しかし、ドラマは架空の物語ですので実際とは違うところがいくつもあります。
イケメン俳優が主人公を務めていた検事のドラマがありましたが、ドラマでは主人公のイケメン俳優が事件現場に出かける場面が幾度もありました。しかし、実際はそのようなことは稀です。ほとんどは検察庁内で職務を行っています。
基本的に検事の仕事は警察官や刑事が犯罪として上げてきた事件を実際に起訴するかどうかを判断することです。そもそも検事という名称は検察官の役職名です。検察官ですから身分は国家公務員ということになります。
公務員という身分と聞きますと給料が安いイメージがありますが、一般の中小企業の社員よりは高額をもらっています。大企業の社員と同程度以上と考えるのが適当です。検察官には偉い順から「検事総長」「次長検事」「検事長」「検事」副検事」と5つの役職があります。「検事総長」くらいになりますと定期的に記者会見を行うのが習わしになっています。それほど社会的に重要な責任を担っています。
検事の仕事を具体的に説明しますと、警察官や刑事が捜査を行って検事に起訴をするか不起訴にするかをゆだねます。検事は送られてきた資料を丹念に読み足りないときは再捜査を指示したりなどする権利を持っています。つまり警察官や刑事の上司の立場にあります。
起訴を決めますと裁判になりますが、そのとき検察官の立場から有罪を立証する責任を負います。検事という仕事は「人間の自由を奪う権利を持っています」のでとても慎重な対応が求められます。普通、人間が人間の自由を奪うならそれは犯罪です。それほど大きな権力を持っているのですから慎重さが求められています。
冤罪という言葉がマスコミで取り上げられることがありますが、冤罪とは犯罪を犯していない人を逮捕することです。無実の人の自由を奪うのですから冤罪はあってはならないことです。このことからも検事という仕事の厳しさがわかります。
検事は国家公務員ですから組織の一員ですが、個人事業主の一面も持っています。ひとつの事件について「起訴するかしないか」を決めるのは個人だからです。しかし、ある検事では起訴になり違う検事では不起訴になるのでは不公平が起きますし、正しい判断が行われないこともあり得ます。ですから、上司の判断も仰ぎますが、決断をするのは個人です。常に、自らを省みて全体のバランス感覚を失わないことが大切です。