テープ起こしの仕事とは
テープ起こしの仕事は、主婦などの間で人気の仕事の1つです。その理由として、多くが在宅で仕事をしているという点が挙げられるでしょう。社員やアルバイトとしてではなく、テープ起こし業者から業務委託として行うことが一般的だからです。また、そうした業務委託の形を経て独立し、自分で直接クライアントから仕事を受けている方もいます。
では具体的にテープ起こしの仕事は、どのようなことをするかというと、基本は音声を文字に起こす仕事です。講演や座談会、会議などの音声を聞いて、それをワードなどのワープロソフトを使って文字にしていきます。
この際、ただ音声をそのまま文字にすることを素起こしといいます。「あー」「えっと」といった相槌などもそのまま文字にするという作業です。ここから一歩進んで、前述のような相槌など不要と思われる部分を取り除いた形で文字にするのがケバ取りという作業です。この形をスタンダードなテープ起こしと呼んでいる業者も多いです。
さらに、もう少し文章としてわかりやすい形に加工することを整文などといいます。語尾をですます調に整えたり、主語と述語がわかりにくい部分を整えたりという作業がここに含まれます。あるいは、文章の要約などまで依頼される場合もあり、基本的にはクライアントの要望に従って作業を行うことになります。
これだけ聞くと簡単な仕事のように感じられるかもしれませんが、テープ起こしは非常に専門性の高い仕事です。日本語の場合は同じ読み方でも複数の表記の仕方がある言葉というのが多くあります。正しい漢字に変換できるかというのも難しい部分です。
また、専門的な内容の場合には当然のように専門用語も飛び交います。基本的に知らない言葉は音で聞いても文字にすることは難しいですから、前後の文脈などから推測したり調べたりしていく必要もあり、非常に手間のかかる作業です。テープ起こしの仕事は、豊富な語彙力と日本語力、そして忍耐力が必要な仕事です。