監査の仕事とは?

監査の仕事とは

近年、あらゆる企業でコンプライアンスの徹底が求められています。コンプライアンスとは企業倫理のことで、社訓や社風、そして従業員のモラルなどが世間に対して悪影響を与えるものであってはならないというものです。そういった状況にあって、外部の機関ではなく企業内部でコンプライアンスが徹底されているかを監査することがコーポレートガバナンスです。監査部門の仕事は、このコーポレートガバナンスにあるのです。

企業は製造業であれば製品を作り、販売業であれば商品を売ることで利益を生み出しますが、監査部門は企業の利益を生み出す部門ではありません。製品の製造を行うのではなく、製品の製造過程を監査して問題が無いことを確認することが仕事なのです。もちろん問題があれば経営陣に報告して是正を促し、自社に対してコンプライアンスを守ることを要求するのです。

日本の企業で多い監査の仕事は、労働環境の監査と財務の監査です。
サービス残業や休日出勤の強要のほか、有休の取得を認めなかったりパワハラやセクハラが横行する劣悪な労働環境などは、コンプライアンスの視点から見ると企業の利益を損なっています。そういった労働環境の実態を調査して報告するのが監査部門が行う業務です。

また、企業活動の結果は全て財務諸表に表れます。企業が良い活動をしていれば財務諸表の経常利益と純利益の数字が上がり、逆に良い活動ができていなければ数字が下がり損失が発生するのです。しかし、経営者や経営陣の中には損失が出ることを認めたくない余り、会計の粉飾に手を染めてしまうことがあります。粉飾の手口は様々で、内部告発がなければ外部の人間が知りうることはほぼありません。

そこで、監査部門は常に企業業績をチェックし、財務諸表が発表される前に監査を行って粉飾やその兆候がないかを調べます。企業の不正を未然に防ぐことが監査部門の大事な仕事なのです。

一方で、監査部門は企業に直接利益をもたらさない部門であるため、企業内で冷遇されることも少なくありません。人員が足りなかったり、監査部門への配属が左遷扱いされることもあるほどです。こういった例は内部監査が重視されていないことの表れであり、コーポレートガバナンスそのものが軽く見られているために発生しています。

これからの企業は、コーポレートガバナンスに重きを置いて、その役割を担う監査部門を尊重することが求められるということを忘れてはいけません。

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